紙が回らない、届かない、見つからない
医療・介護の現場では、いまだに紙の申請書が使われている場面が少なくありません。
ある施設では、備品の購入申請や休暇届を紙で回覧していました。申請者が用紙に記入し、上長のデスクに置き、上長が印鑑を押して事務に回す。このプロセスに平均3日かかっていました。
「上長が出張で不在だと1週間止まる」「事務に届いた時には期限切れ」「過去の申請書が見つからない」。こうした声が現場から上がっていました。
紙の申請書が抱える3つの問題
紙ベースの申請には、構造的な問題があります。
- 物理的な移動が必要: 人が紙を持って歩かないと、承認が進まない
- ステータスが見えない: 今どこに紙があるのか、誰も把握していない
- 検索できない: 過去の申請を探すのに、キャビネットをひっくり返す必要がある
これらは「紙をなくす」だけでは解決しません。承認の流れそのものを再設計する必要があります。
Googleフォーム + スプレッドシートで電子化
私たちが導入したのは、特別なシステムではなく、Googleフォームとスプレッドシートの組み合わせです。
仕組みはシンプルです。
- 申請者がGoogleフォームに入力(スマホからでもPCからでもOK)
- 回答がスプレッドシートに自動記録(申請台帳が自動でできる)
- 承認者にメールで通知(GASで自動送信)
- 承認者がスプレッドシート上で承認/差戻し(ワンクリック)
- 申請者に結果を自動通知
導入にかかった期間は約2週間。既存のGoogleアカウントをそのまま活用しました。
導入後の変化
電子化の効果は、スピードだけではありませんでした。
- 承認スピード: 数日 → 早ければ即日(該当施設での実績)
- 申請の透明性: 「今どの段階か」が一目でわかる
- 検索性: 過去の申請をキーワードで即座に検索可能
- 集計が自動化: 月次の申請件数や種類別の集計がスプレッドシートで自動算出
事務担当者からは「月末の集計作業が丸ごとなくなった」との声がありました。
電子化の成功に必要な3つのポイント
紙から電子への移行で失敗しないために、3つのポイントがあります。
1. 一気にやらない。まず1種類の申請書から始め、現場が慣れてから拡大する。
2. 紙と並行運用する期間を設ける。「明日から紙禁止」ではなく、2〜4週間の移行期間を置くことで、現場の抵抗感を減らせます。
3. 入力項目を最小限にする。紙の申請書をそのままフォームにすると、入力が面倒で使われません。本当に必要な項目だけに絞ることが大切です。
まずは1枚の申請書から
「ペーパーレス化」と聞くと大がかりに感じますが、実際にはGoogleフォーム1つから始められます。最初の1枚が電子化できれば、他の申請書への展開はスムーズです。
紙の業務を減らしたいけれど、何から始めればいいかわからない。そんな方は、無料の業務改善診断をご利用ください。現場の状況に合わせて、最初に取り組むべき1枚をご提案します。
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