「議事録係」が一番大変だった
会議が終わった後、誰かが必ずこうつぶやきます。「議事録、今日中にまとめておいてください」。
介護施設では、感染対策委員会・リスクマネジメント委員会・ケアカンファレンス・担当者会議など、毎月必ずある定例会議がいくつもあります。その度に、会議中はメモを取りながら発言も追い、終わった後はWordを開いて清書して……。議事録係をまわすのが大変で、毎回同じ人が担当している施設も少なくありません。
「1回の議事録に30〜40分かかる」というのは、現場ではごく普通の話です。月に5〜6回の会議があれば、それだけで3〜4時間が議事録だけに消えていきます。
ここでは、特別な知識がなくても使える3つのアプローチを紹介します。導入コストや所要時間も含めて、具体的にお伝えします。
方法1:Googleドキュメントで「共同編集議事録」
どんな方法?
会議中に、スマホやパソコンを持った人が複数人で同時にGoogleドキュメントに入力します。「書記1人が全部書く」のではなく、参加者みんなで分担するイメージです。
具体的なやり方
- 会議ごとのフォルダをGoogle ドライブに作る
- 会議前に議事録テンプレートをコピーして共有リンクを発行
- 会議中に参加者が気づいたことをリアルタイムで書き込む
- 会議後は誰かがざっと整形して完成
「自分だけが頑張る」構造がなくなるのが最大のメリットです。
メリット・導入コスト
- 時短効果: 会議中に8割が完成するため、清書時間が1/3以下になることが多い
- 所要時間(準備): テンプレートを作る最初の1時間だけ
- 導入コスト: 0円(Google Workspaceが既にある施設なら)
- ハードル: 参加者がスマホかPCを持っていること
特に「議事録を後から配ると内容が違う」というトラブルが減ります。全員が同じドキュメントを見ているので、認識のズレが起きにくくなります。
方法2:音声入力ツールで「しゃべりながら議事録」
どんな方法?
スマートフォンの音声入力機能や、Googleドキュメントの音声入力を使って、会議の発言をそのまま文字に起こします。完璧なテキストはできませんが、あとで修正するベースとして使えます。
具体的なやり方
- 会議中、スマホやPCのマイクをテーブル中央に置く
- Googleドキュメントの「ツール→音声入力」をオンにする
- 発言がリアルタイムでテキストに変換される
- 会議後、誤認識された箇所を修正して整形する
iPhoneの場合はキーボードのマイクアイコンでも同様のことができます。
メリット・導入コスト
- 時短効果: 「ゼロからタイピング」がなくなるため、修正作業は会議時間の半分以下で終わることが多い
- 所要時間(準備): 初回のみ5〜10分(設定方法の確認)
- 導入コスト: 0円(スマホ・PCがあれば使える)
- 注意点: 複数人が同時に話すと精度が落ちる。1人ずつ発言するルールがあると◎
「完璧に起こそうとしない」のがコツです。固有名詞や数字だけ後から確認すれば、十分な品質の議事録になります。
方法3:テンプレート+GASで「自動配布」
どんな方法?
議事録テンプレートをGoogleドキュメントで作り、会議が終わったら Google Apps Script(GAS)を使って関係者に自動でメール配信する仕組みです。「誰に送ったか」「いつ送ったか」の管理も自動化できます。
具体的なやり方
- 議事録のGoogleドキュメントテンプレートを作成する
- GASで「ファイルを指定したら関係者にメール送信」するスクリプトを設定
- 議事録が完成したらボタン1つで配信される
- 配信先・配信日時がスプレッドシートに記録される
「誰かに送り忘れた」「PDFに変換してメールに添付して……」という作業が一切なくなります。
メリット・導入コスト
- 時短効果: 配布・管理の工程がゼロになる(1回あたり5〜15分の節約)
- 所要時間(準備): 初回セットアップに2〜3時間
- 導入コスト: 0円(Google Workspaceのみで完結)
- ハードル: GASの設定が必要なため、初回は技術サポートがあると安心
月に6〜8回の会議がある施設では、配布の手間だけで月1〜2時間節約になる計算です。
3つの方法を組み合わせると最強
それぞれを単体で使うのもいいですが、組み合わせるとさらに効果が上がります。
| ステップ | 使うもの |
|---|---|
| 会議中 | 音声入力 or 共同編集 |
| 会議後の整形 | Googleドキュメント |
| 配布・管理 | GAS自動送信 |
東海エリアの介護施設でこの3つを組み合わせて運用したところ、「議事録に使う時間が月4時間から1時間弱に」という変化がありました。ツールに慣れるまで1〜2ヶ月かかりましたが、慣れてからは「もう元には戻れない」というお声をいただいています。
まず「テンプレートを作る」だけでもいい
「GASはハードルが高い」「音声入力を会議で使うのは恥ずかしい」という方もいると思います。
最初の一歩は、Googleドキュメントで議事録テンプレートを1枚作るだけで十分です。「日時・出席者・議題・決定事項・次回日程」の枠があるだけで、書く速度が変わります。
業務改善は一気にやる必要はありません。1つ習慣になったら次へ、という積み重ねで変わっていきます。
どこから手をつければいいかわからない方、施設の状況に合わせてどの方法が合うか確認したい方は、無料の業務改善診断からご相談ください。現場の状況をヒアリングし、使えるものと使えないものを整理するところからご一緒します。
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