毎朝、紙と格闘していませんか?
「今日は○○さんが休みだから、ルートを入れ替えて…」「新しい利用者さんの住所、どこのバインダーに書いたっけ」「ドライバーに渡す紙、コピーするのを忘れた」
デイサービスの送迎管理あるあるを並べると、きりがありません。
利用者さんの人数が増えれば増えるほど、送迎のルート組みは複雑になります。欠席連絡が入るたびにルートを組み直して、ドライバーに新しい紙を渡して、送迎表を修正して——これを毎朝こなしているうちに、気づけば30分、40分と時間が消えていく。
この記事では、Googleスプレッドシートを使って送迎管理を一本化する方法を、実際の現場をイメージしながら紹介します。特別なシステムを導入しなくても、今日から使えるやり方です。
ステップ1|利用者の住所・送迎情報をスプレッドシートで一元管理する
まず土台として、利用者の送迎に必要な情報をひとつのスプレッドシートにまとめるところから始めます。
紙の台帳、ケアマネからのFAX、ホワイトボードのメモ——散らばっている情報を一箇所に集めるだけで、探す手間がなくなります。
管理すべき情報は、最低限これだけあれば十分です。
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 利用者名 | 田中 花子 |
| 住所 | 一宮市○○町1-2-3 |
| 電話番号 | 090-XXXX-XXXX |
| 緊急連絡先 | 長男 田中 太郎 |
| 通常の乗車順(朝) | 3番目 |
| 通常の降車順(夕) | 2番目 |
| 備考 | 玄関前まで迎えに行く、車椅子乗車 |
これをベースシートとして持っておけば、送迎表を作るたびに「あの人の住所どこだっけ」と探し回る必要がなくなります。
**ポイントは「更新しやすくしておくこと」**です。担当者が変わっても、誰でも開いて確認・修正できる状態にしておく。情報が古いまま放置されると、せっかくのシートが使われなくなります。Googleスプレッドシートはクラウド上で共有できるので、複数人で同時に確認・編集できる点が紙との大きな違いです。
ステップ2|Googleマップとの連携でルートを組み立てる
利用者情報がスプレッドシートに揃ったら、次はGoogleマップと組み合わせてルートを組み立てる作業です。
Googleマップには「複数地点のルート検索」機能があります。出発地(施設)から最初の利用者宅、次の利用者宅……と順番に地点を追加していくことで、走行ルートと所要時間を地図上で確認できます。
使い方は簡単です。
- Googleマップを開き、出発地(施設の住所)を入力
- 「経由地を追加」ボタンで利用者の住所を順番に入力
- ルートを確認しながら、順番を入れ替えて最適化
スプレッドシートに住所が整理されていれば、コピー&ペーストで次々と入力できます。住所を探しながら打ち込む、という手間がなくなるだけで、作業スピードが体感できるくらい変わります。
経路確認で意識したいこととして、時間帯によって混雑するエリアは変わります。朝の通勤ラッシュと夕方の帰宅ラッシュでは、同じルートでも所要時間が変わることがある。Googleマップは出発時刻を指定した所要時間の予測ができるので、「○時出発」に設定して確認するとより実態に近い時間を把握できます。
作成したルート情報は、スプレッドシートの「送迎表シート」に転記しておくと管理しやすくなります。
ステップ3|欠席連絡・ルート変更を素早く反映するフロー
送迎管理で一番バタバタするのが、当日朝の欠席連絡です。
「○○さんが熱で休みます」という電話が来るたびに、その日の送迎表を書き直して、ドライバーに連絡して、というやり取りが発生します。ここを仕組み化しておくと、現場の慌ただしさが大幅に減ります。
おすすめのフローはこうです。
朝の欠席対応フロー(スプレッドシート活用版)
- 利用者または家族から欠席連絡が入る
- スプレッドシートの「本日の送迎表」シートを開き、該当の利用者の行を「欠席」に変更
- 欠席者を除いた乗車順を確認・調整
- 変更後の送迎表をドライバーにLINEまたは印刷して渡す
ここで重要なのは、「本日の送迎表」は毎日コピーして使い回すという運用にしておくことです。
前日の夕方に翌日分のシートを複製して、通常の乗車順をベースに入力しておく。当日の変更はそこに上書きするだけ。ゼロから作り直すよりも、「修正」で済むようにしておく方が断然ラクです。
また、ドライバーへの連絡手段を統一しておくことも大切です。「送迎表はLINEグループで共有する」「変更があったらグループに一言送る」というルールを決めておけば、口頭やメモのやり取りによる伝達漏れを防ぎやすくなります。
仕組みを作るのは一度だけ、あとはラクになる
「スプレッドシートの設定って難しいんじゃ?」という声をよく聞きます。
最初に基本シートを作るときは少し時間がかかりますが、一度できてしまえば、あとは日々の運用で「欄を埋めるだけ」になります。難しい関数や自動化は必要ありません。
送迎管理の効率化を進めると、こんな変化が起きることが多いです。
- 毎朝の送迎表作りが30分→10分以下に
- 欠席連絡への対応がスムーズになり、慌てなくなる
- 住所や電話番号の「どこにあるんだっけ問題」がなくなる
- ドライバーへの連絡が一元化され、伝達ミスが減る
送迎業務が毎日のことだからこそ、少しの仕組み改善が積み重なって大きな時間の節約になります。
そして、送迎以外にも「なんとなく時間がかかっている業務」は必ずあります。記録、シフト管理、書類対応——それぞれに小さな仕組みを積み上げることで、現場の余裕は確実に生まれます。
あなたの施設の送迎管理、もっとシンプルにできるかもしれません。