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業務改善事例

事務長がいなくても回るクリニックの作り方

「事務長がいれば…」と思ったことはありませんか

スタッフのシフトを組む。備品の発注をかける。厚生局への届出の期限を把握する。経費の精算をまとめる。

こうした事務業務、誰がやっているでしょうか。

多くの小規模クリニックでは、院長や看護師長、ベテランの受付スタッフが「なんとなく」担当しています。決まったルールもなく、その人の記憶と経験に頼っている状態です。

「事務長がいれば一人に任せられるのに」と思う気持ちはよくわかります。ただ、事務長を雇う余裕がない、あるいは採用しても定着しないというクリニックが多いのも現実です。

でも、事務長がいないことが問題なのではありません。「仕組みがない」ことが問題です。仕組みさえあれば、特定の誰かに頼らなくても事務業務は回ります。


課題1:シフト管理が属人化している

「シフトはいつも○○さんが組んでいる」という状態になっていませんか。

その人が休んだり辞めたりしたとき、誰もやり方を知らない。希望休の提出方法もバラバラで、毎月LINEやメモ紙で集めている——こうした状況はよく聞きます。

仕組み化のポイント

Google フォームで希望休を収集し、スプレッドシートに自動集約するだけで、大部分の手間が省けます。

具体的には:

  • 希望休の提出: Google フォームで「名前・希望休日・理由」を入力してもらう
  • 集計: 回答がスプレッドシートに自動で蓄積される
  • シフト表の作成: スプレッドシート上でシフトを組み、閲覧URLをスタッフに共有

LINEで「今月の希望は?」と聞いて回る作業がなくなるだけで、担当者の負担はかなり減ります。希望休の一覧がスプレッドシートにまとまっていれば、誰でもシフト表を作れる状態になります。


課題2:経費精算が口頭・手渡しで管理できていない

「備品を買ったらレシートを院長に渡して現金でもらう」というフローを続けているクリニックは少なくありません。

これだと何が起きるか。レシートをなくす。誰が何を買ったか記録が残らない。月末にまとめようとすると詳細が不明になる。院長が一つひとつ確認するのに時間がかかる。

仕組み化のポイント

経費精算フォームをGoogle フォームで作り、スプレッドシートに蓄積するだけで管理の質が大きく変わります。

フォームに入力する項目はシンプルでいいです:

  • 購入日
  • 購入内容(品名)
  • 金額
  • 領収書の写真(スマホで撮影してそのまま添付)
  • 購入者名

これで「誰が・いつ・何を・いくらで買ったか」が一覧で把握できます。月末の集計も関数一つで自動計算されます。院長がチェックすべき内容がひと目でわかるので、確認の時間も短くなります。

スタッフのスマホから入力できるので、レシートを手渡す手間もなくなります。


課題3:届出・更新の期限を誰も把握していない

クリニック経営には、意外と多くの「定期的な手続き」があります。

  • 医師免許の住所変更届
  • 保険医療機関の各種届出(施設基準の変更など)
  • 医療機器の保守点検記録
  • スタッフの定期健康診断の実施記録
  • 有給取得の管理

これらは「やらなくても今すぐ困ることはない」ものが多いため、後回しになりがちです。でも、いざ指摘されたときや更新のタイミングを逃したとき、対応に追われることになります。

仕組み化のポイント

「届出管理カレンダー」をGoogleスプレッドシートで1枚作り、月次でチェックする習慣を作るだけで十分です。

手続き内容担当者期限・頻度最終対応日次回期限
施設基準の届出確認〇〇毎年4月2026/4/12027/4月
スタッフ健診〇〇年1回(6月)2025/6/152026/6月

このシートをGoogleカレンダーと連動させると、期限前にメール通知も飛ばせます。「気づいたら期限切れだった」が防げます。

難しいことは一切ありません。最初に一覧を作る手間さえかければ、あとは月1回10分見るだけで回ります。


「誰かに依存しない」体制を作るために

ここで紹介した3つの仕組みに共通しているのは、「情報を一人の頭の中に置かない」ということです。

  • シフト希望の情報はフォームに
  • 経費の情報はスプレッドシートに
  • 届出の期限情報は一覧表に

特定の誰かがいなくても回る。新しいスタッフが来ても引き継げる。院長が細かいことを管理しなくていい。これが「仕組み化」の本質です。

事務長がいなくても、適切な仕組みがあれば事務業務は回ります。必要なのは高価なシステムではなく、GoogleスプレッドシートとGoogleフォームで十分なことがほとんどです。

「うちの場合、何から手をつければいいか」がわからないという方は、一度現状の業務を整理するところから始めてみてください。


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Author

村上慎吾(ムラシン)

ムラシンAI 代表

医療法人向け採用支援を10年以上経験。400人規模の総合病院での業務改善プロジェクトでは、86%の職員が時短を実感。現場を知る業務改善パートナーとして、東海エリアの医療・介護施設を支援しています。

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