高額なシステムは必要ない
「業務改善にはシステム導入が必要でしょう?」と聞かれることがあります。
答えはNoです。多くの医療・介護の現場では、すでに使っているGoogle Workspace(Gmail、スプレッドシート、Googleフォーム)だけで、かなりの業務改善ができます。
400人規模の総合病院で業務改善プロジェクトを実施した際も、新しいソフトウェアは1つも導入しませんでした。既存のGoogle Workspaceを活用した結果、受講後のアンケートでは多くの職員が「業務時間が短くなった」と回答してくれました。
ここでは、3つのステップで業務を効率化する方法を紹介します。
Step 1: Googleフォームで申請書を電子化する
まず取り組むべきは、紙の申請書をGoogleフォームに置き換えることです。
具体的な手順:
- Google Driveを開き「新規」→「Googleフォーム」を選択
- 現在使っている紙の申請書を見ながら、入力項目を設定する
- 項目は必要最小限に絞る(紙と同じ項目数にしない)
- フォームのURLをスタッフに共有する(QRコードにすると便利)
ポイント: 最初は1種類の申請書だけで始めましょう。有休申請や備品購入申請など、使用頻度が高いものがおすすめです。
フォームに入力された内容は、自動的にスプレッドシートに記録されます。これだけで「紙が見つからない」「誰が申請したかわからない」という問題が解消されます。
Step 2: スプレッドシートで集計を自動化する
Googleフォームの回答が溜まったスプレッドシートを、そのまま集計に活用します。
具体的な手順:
- フォームの回答スプレッドシートを開く
- 新しいシートを追加し「集計用」とする
- COUNTIF関数で申請種別ごとの件数を自動集計する
- QUERY関数で月別・部署別の一覧を自動生成する
例: =COUNTIF(回答!D:D, "有休申請") で有休申請の総数がわかります。
これまで月末に半日かけていた集計作業が、リアルタイムで自動更新されるようになります。「今月の残業申請は何件?」という質問にも、スプレッドシートを開くだけで即答できます。
Step 3: Gmailで通知を自動化する
最後に、Google Apps Script(GAS)を使って通知を自動化します。
具体的な手順:
- スプレッドシートのメニューから「拡張機能」→「Apps Script」を開く
- 「フォーム送信時」にメール通知を送るスクリプトを設定する
- 承認者のメールアドレスを指定して、申請があるたびに自動通知する
これにより、申請者がフォームを送信した瞬間に承認者へメールが届きます。「紙がデスクに置いてあるのに気づかなかった」という事態がなくなります。
GASの設定が難しいと感じる場合も心配はいりません。基本的な通知機能であれば、10行程度のコードで実現できます。
3ステップで変わること
この3つのステップを実施するだけで、以下の変化が生まれます。
- 申請から承認までの時間: 数日 → 早ければ即日に
- 月末の集計作業: 手作業 → 自動集計で大幅に削減
- 過去の申請の検索: キャビネットを探す → キーワード検索ですぐ見つかる
- 申請状況の把握: 「今どこにあるかわからない」 → リアルタイムで確認可能
大切なのは、これらすべてが追加費用ゼロで実現できるということです。
まずは1つのフォームから
「全部一度にやろう」と思う必要はありません。まずStep 1のGoogleフォームを1つ作ってみてください。それだけで現場の反応が変わり、次のステップに進むモチベーションが生まれます。
「うちの業務に合った始め方を知りたい」という方は、無料の業務改善診断をご利用ください。現場にお伺いし、Google Workspaceで改善できるポイントを具体的にお伝えします。
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